地域のみなさまと共に

東御市民病院 Tomi Municipal hospital

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院長あいさつ

院長  岩橋 輝明(いわはし てるあき)

「健康と暮らしを守り、支え、未来を拓くコミュニティホスピタル」

 新型コロナウイルスの日本上陸から丸4年が経ちました。4月からは「脱コロナ」の社会体制へ本格的に移行します。それでもハイリスクの方が多い医療・介護施設では感染対策を緩める事は難しく、また今後の新興感染症拡大時の対応について準備が求められています。東御市民病院は感染症対応力を高めながら日常の診療を維持していきます。引き続きご理解ご協力をお願い申し上げます。

 コロナ禍は日本の医療体制の多くの課題(医療資源の不足・不均衡、医療機関へのアクセス困難、オンライン診療・遠隔医療の必要性、情報伝達・発信力の不足、地域社会の理解・協力・連携強化の必要性、医療従事者のサポート等々)を浮き彫りにしました。日本にある8200病院のうち7割が200床未満の中小病院であり、その多くが人材不足と赤字に悩んでいると言われています。そして全国857の公立病院の半数以上の464の200床未満病院も例外ではありません。この中には地方の医師不足地域で地域医療を支えている病院が少なくありませんが、このような病院もコロナ禍における地域医療を支えました。コロナ禍での患者さんの苦労はもちろんのことでしたが、小規模の病院でのコロナ診療は(病床確保のための補助金等があったにしても)医療従事者にとっても心身の負担は厳しいものでしたし、地域医療に与える影響も大でした。そして脱コロナとなる今後も病院や地域の医療体制の進む道はさらに険しいものがあります。

 上小医療圏は長野県内でも人口あたりの医師数、特に勤務医数が最も少ない圏域であることが長野県地域医療構想で指摘されています。特に輪番制を敷く救急医療では、医師働き方改革の影響もあり輪番体制維持が困難な状況となっています。これから先、地域の人口は減少していきますが医療必要度の高い高齢者の人口と割合は増加し、高齢者救急が増加することが予測されています。複合的な課題のある高齢者の救急・入院医療にはチームアプローチが欠かせません。対応するための医療体制構築は待ったなしであり、当院はプライマリケアと地域包括ケアシステムの中核としての役割を果たさなければなりません。もちろん医療を必要とするのは高齢者だけではありませんし、同時に医療の下流域・最終段階とも言える救急搬送という事態に流れ着く前に、疾病予防や日常のケアなどの「上流域の医療」への積極的関与という役割もあります。

 私たちの理念である「コミュニティホスピタル」は総合診療を中心とし、地域貢献に主軸を置く地域密着型病院です。プライマリケアの提供・地域包括ケアシステムへの貢献はその中心的役割です。みまき温泉診療所と密に協働して、小児から高齢者までの様々な医療ニーズに応じて外来通院・入院・在宅医療といった医療選択肢を多職種連携のもとで一連の流れとして切れ目なく提供し健康と暮らしを「治し支える医療」を実践すること、リハビリ・栄養管理を含めた多くの視点から疾患・介護予防を目的に「上流域の医療」を提供すること、周辺の医療介護機関と連携して、地域全体の医療・保健・福祉レベルを高めることに貢献することを目指します。

 『共に支え合い健やかに暮らせるまち』づくりのため、医療の力で地域に安全(safe)・安心(peace of mind)を届け、地域とともに発展し職員もやりがいと働きやすさを感じられる病院。それが私たちの目指している「コミュニティホスピタル」です。そのためにはまだ多くの課題がありますが、市民の皆様と対話しながら未来を拓けるように進んで参ります。

2024年4月      東御市民病院院長 岩橋輝明

院長略歴

東京都出身

平成1年 信州大学医学部卒業
     信州大学医学部内科学第三教室入局

信州大学医学部附属病院第三内科、旧国立長野病院(上山田)内科、小諸厚生総合病院内科医長、国立療養所中信松本病院神経内科、国立長野病院(現信州上田医療センター)神経内科医長にて内科・神経内科医療に従事

平成19年8月から 東御市民病院内科

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