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みまき温泉診療所 Mimaki Onsen Clinic

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健康フォーラム

亜鉛欠乏症と臨床

亜鉛欠乏症と皮膚疾患 臨床症例集②

亜鉛欠乏症と皮膚疾患 臨床症例集②
アトピー性皮膚炎症例

slide 01:アトピー性皮膚炎は一時的か?二次的か別にして亜鉛欠乏と関係している

slide 02:診察開始直後

2012.04.16 初診。私どもの診療所にはあまり若い患者さんの受診はない。

アトピー性皮膚炎で、亜鉛補充療法で成果を上げている医師は名古屋の皮膚科医有沢祥子医師であるが、本疾患は比較的若年者が多い疾患なので経験例は少ない。

しかし、亜鉛の健常な皮膚の生成・維持の機能から、一次的であろうと二次的であろうとその作用は別にして、アトピー性皮膚の病的状態の改善はありうることと考える。

2012.04.16 当時は既に、アトピー性皮膚炎の亜鉛補充療法の有用性は判っており、遠方よりの受診のため、血清亜鉛値検査の採血をして、初診日より通常の亜鉛補充療法開始した。

slide 03:診察開始から約2ヶ月後の状態(1)

スライド2,3のごとく、2012.06.04 初診時の前額、後頚部背部、前腕の皮疹状態である。 他に、口唇炎、口角炎、喘息がある。特異的IgEにも所見を示す。

薬剤の使用は、種々であり、取り敢えずその状態から亜鉛の補充療法を開始する。

slide 04:診察開始から約2ヶ月後の状態(2)

2012.06/18 前額、後頚部、耳介が多くの経過写真の中で、揃っているのでしめす。 耳介及びその周辺の皮膚状態を確認されたい。

slide 05:診察開始から約3ヶ月後の状態

7/2 Zn126μg/dL、7/23 Zn128μg/dLと亜鉛血中濃度が上昇。全体として、やや軽快してきた。

slide 06:診察開始から約4ヶ月後の状態

2012.08.20 かなり皮疹が軽快してきている。掻痒感や落屑が減少していること自覚的にも明らかになって来た。

slide 07:診察開始から約5ヶ月後の状態

2012.09.24 皮疹がどんどん軽快してきていること、他覚的にも比較してみると明らかであると思われる。

その他の皮疹所見も軽快している。

slide 08:診察開始から約7ヶ月後の状態

2012.10.29 喘息な発作など、亜鉛補充療法の中断含めて、亜鉛補充療法には紆余曲折があったが、皮疹はここまで軽快した。

この患者さんは、遠方からの方で、ここで受診中止となる。

6月初診の頃と比較すれば歴然とした違いが判る。

ただ、口唇炎、口角炎、この皮疹の軽快経過、血清亜鉛値の変化など含めて、亜鉛欠乏がアトピー性皮膚に関係していることは言える。

亜鉛がアトピー性皮膚炎の皮膚症状の健常化には寄与していることも、間違いないであろう。

ただ、喘息を含めて、アトピー性皮膚炎のどこまで亜鉛が関係しているのか?今後の緻密な研究が求められる。

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