亜鉛欠乏症と皮膚疾患 臨床症例集①
亜鉛欠乏症と皮膚疾患 臨床症例集 ①膿疱性乾癬 ？ 症例
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【記】
例外を除いて、大部分の褥瘡の発症・難治化の主要因は、亜鉛欠乏による皮膚の生成・維持の障害による皮膚の脆弱性によるものと考えられ、これまでにも多くの症例を提示してきた。
同じく、多くの皮膚疾患も亜鉛不足による健常な皮膚の生成・維持の障害が、主要な要因の一つであるらしいと考えられる。
是非、皮膚科専門医の関心と検討をお願いしたいと考える。私共の様な一般の診療所では、多くの症例を集め検討する訳に行かないが、亜鉛の多彩な生体内機能から考えると、免疫をも含めて、表皮、真皮等の健常な皮膚の生成・維持に関与していると考えられ、その不足は多彩な皮膚障害を生ずるため、一元素の欠乏でその表現として多彩な皮膚疾患を呈するものと考える。
経過や症例数をなど、出来るだけ、充分の narrative Evidence のあるものを提示する。
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【記】
| ［初診日］ | 2006/01/04 | |
| ［傷病名］ | 膿疱性乾癬の疑い （全身慢性湿疹、口周囲皮膚炎、口角炎、手掌角化症､舌痛 味覚障害) |
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| ［現病歴］ | 1995年 | 信州に移転。庭の草いじりをするようになって、5月～11月にかけて、両手掌に発疹が始まる |
| 1998年～ 2000年頃 |
皮疹が毎年発症するようになり､手掌から前腕に及ぶようになる。ただ、12月頃からは、手掌の剥皮、落屑も軽快し、殆ど普通の皮膚になる｡ | |
| 2000年2月頃 | 体調を崩し、それから舌の尖端に痛み生じ、皮疹も通年となる。 | |
| 2005年秋～ | 上下の口唇､口角炎、舌も割れて痛みがあった。 上肢は､2004年10月に右側手掌母指球から手掌の水疱で発症し、掻痒強く、掻爬｡浸出液が出て、発疹は両側手掌､手背､前腕にと広がり､斑状に広がって癒合し、紅斑、落屑を生じた｡ 背部にも､両大腿にも同様の皮疹が広がった。 顔にも発疹が出現した｡ |
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| 3～4年前から長野県下のH地方やA地方の病院皮膚科に受診、軟膏療法を受けているが良くならないと遠方よりの当院受診。 この間、種々の民間療法、素人療法などを色々試みて来たが効果なし｡ 偏食無し。薬剤の処方詳細聞き取りなしである。⇔2006年、当時は余り多剤服用問題には気が付いていなかった。 |
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| ［経 過］ | 2006/01/04 | 初診。 Hb:12.3／Alb:4.2g/dL／Al-p:253／Zn:74μg/dL プロマックD錠2T-2✕朝夕食後で投与開始 |
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【記】
| ［経 過］ | 2006/01/10 | プロマック服用開始後、全体に可成り良い感じがする。口角炎の亀裂が治まる。これまでの薬等はそのまま継続｡ |
| 2006/01/24 | 可成り良くなった。掻痒感も10→5に減少。局所の掻痒にレスタミン軟膏を処方し、他の軟膏類は中止｡ Al-p:294／Zn:82μg/dL Zn・Al-pの動きあり｡ |
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| 2006/02/21 | 食欲が出てきた。皮疹可成り良くなる｡ 掻痒については、80%軽快。 Al-p:267／Zn:76μg/dL |
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| 2006/03/28 | 食欲モリモリ。全体として大変良くなる。 両前腕は友人よりのアロエで悪化｡ Hb:11.7／Alb:4.0／Al-p:251／Zn:79μg/dL |
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| 2006/04/26 | アロエを使ってから、掻痒強く､03月19日から釜沼温泉で吹き返しが来るまでと入浴｡ 両上肢、口囲は悪化｡ 手掌、背部、大腿はどんどん良くなる｡ 口角炎も、舌も良くなる。体調良。 Al-p:301／Zn:94μg/dL |
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【記】
［経 過］2006/02/21 亜鉛補充療法開始して（前slideと合わせて）、背部、腰背部も殆んど治癒と言ってよいほど綺麗になる
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【記】
大腿、下腿も02/21(約7週間)で、皮疹は殆んどなく、多少色素沈着を認める程度となる。
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【記】
| ［経 過］ | 2006/02/21 | 手掌の肥厚、亀裂、剝皮も殆んど治まる。 |
| 2006/05/15 | 皮膚は可成り良くなり、元気も出てきた。 掻痒に、エバステル錠処方。 |
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| 2006/05/30 | 非常に良くなる。 Hb:12.1／Alb:4.2g/dL／Al-p:288／Zn:70μg/dL |
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| 2006/06/14 | 同様の軽快状態続く｡ | |
| 2006/06/28 | 両前腕のみ治癒が遅れている。日光皮膚炎と言うが？？被覆を！！ | |
| 2006/07/12 | 両前腕のみ変である。手掌､背部、大腿､は殆ど良いのに、手背と前腕は?? 友人に勧められて、エバメールと言うハンドクリーム使用中という。訳の分からないものは中止に!! 舌と口角炎はすっかり良い｡ |
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【記】
| ［経 過］ | 2006/06/28 | 両前腕のみ治癒が遅れている。日光皮膚炎と言うが？？被覆を！！ Al-p:304／ Zn:83μg/dL |
| 2006/07/12 | 両前腕のみ変である。手掌､背部、大腿､は殆ど良いのに、手背と前腕はどうして??友人に勧められて、エバメールとか言うハンドクリーム使用中という。訳の分からないものは中止に!! と約束をする。 舌と口角炎はすっかり良い｡ |
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【記】
［経 過］ 2006/07/12 他は殆ど良いのに､両前腕のみ変であることに気づき、人に勧められて、某ハンドクリームを使用していた。訳のわからないものは、中止！！舌、口角炎はすっかり良い｡ 2006/07/31 ﾊﾝﾄﾞｸﾘｰﾑ中止して、前腕、手背も可成り良くなる。
食欲上昇し、美味しいという。
Al-p:250／Zn:71μg/dL
プロマックD錠8週間分もって、受診しなくなる。 これで受診は中断。以降2007/02/23のはがきによる報告 2006年8月頃 来客やら多忙で受診できず。 10月中旬 九州方面への旅４泊5日のあと、両前腕のかゆみが無くなり、その後自然に治癒。 2007/02/23 全く綺麗で以前の皮疹の面影無し、とのこと。
